【ゲーマー目線】オンラインゲームに最適なネット回線の選び方

ネットワークを通じて画面の向こうと繋がるオンラインゲームにおいて、回線の品質はとても重要です。
どんなにハイスペックなPCやデバイスを用意しても、回線が貧弱では実力を発揮できないまま終わってしまいます。
ですが、いざ回線のことを調べてみると知らない用語のオンパレードで、どのようにネット環境を整えればよいかわかりづらく、困っているというゲーマーも多いのではないでしょうか?
この記事では、貧弱な回線がゲーマーに与えるデメリットを改めてチェックしたうえで、ネット回線にまつわる「知識」「選び方」をガッツリ解説します。
回線が弱いとゲームでとてつもなく不利に...

敵が急にワープしたように見えたり、当たったはずの会心の攻撃が外れたり、弱い回線がプレイへ与える影響は計り知れません。
以下に挙げる症状に頻繁に出くわすという方は、回線弱者である可能性大です。
- ・弾が敵をすり抜ける
- ・敵がワープする
- ・移動したはずが元の位置に戻される
- ・スキルボタンを押してもスキルが出ない
- ・強制的に切断される
このような症状があると、プレイしづらいのはもちろんのこと、負けた原因が自分の技量にあるのか回線にあるのかわからないままとなり、ゲームの上達にも大きな悪影響を与えてしまいます。
自宅回線の通信速度を計測する方法

計測中。この間は他に操作をせず、そっと見守りましょう。

計測完了。「お使いのインターネットの速度(下り速度)」が表示されます。
ここで終了せず、ページ下部の「詳細を表示」をクリックしましょう。再び計測が開始されます。

これですべての計測が完了です。簡単に「お使いのインターネットの速度(下り速度)」「レイテンシ(Ping値)」「アップロード(上り速度)」が計測できましたね。
この記事の続きを読む上で、重要な数値になるので覚えておいてください。
まだ計測結果の良し悪しがわからなくても大丈夫。この後解説します。
ネット回線選びで知っておきたい用語4つ
・通信速度
通信速度とは、「1秒間に送受信できるデータ量」を表すものです。
単位は「bps(ビット毎秒)」を用います。
※参考:1G(ギガ)bps=1000Mb(メガ)bps=1000000K(キロ)bps数値が大きいほど、高速で通信できている(データの送受信がスムーズにできる)ということになります。
馴染みのない単位でイメージしづらいかもしれませんが、「約8Mbpsで毎秒1MBのデータ通信を行うことができる」という目安を覚えておくと良いでしょう。
・「回線速度」と「通信速度」は別物
回線業者を選定する際に注意したいのが、「通信速度」と「回線速度」は別物であるという点です。
光回線をはじめとするインターネット回線の通信速度は、事業者によって「最大1Gbps」というような表示がされています。これは、技術規格上の最大通信速度のことで、実際の通信速度は回線の混み具合によって変化します。
「1ギガビット回線!」と宣伝されているものに契約しても、実測値で「1Gbps」の通信速度が出ることはまずありません。
回線速度の値が大きいから高速!と単純に考えてしまうと後で痛い目にあう可能性があるので十分に注意しましょう。
・Ping値
通信速度が「1秒間に送受信できるデータ量」を表すのに対して、Ping値は「1回のデータ送受信に掛かる時間」を表します。
「応答速度」「レイテンシ」とも呼ばれ、単位は「ms(ミリ秒=1/1000秒)」です。
Ping値は低ければ低いほどよいとされます。
仮に通信速度が十分でも、Ping値が高いとラグの発生は避けられません。
安定性、混雑度合い
快適なインターネット環境の構築にあたり、安定して高速の通信ができるかどうかは非常に重要な条件です。
上図は総務省が「令和元年版情報通信白書」で公開した、メディアの利用時間帯を表したグラフです。
ネットとテレビのリアルタイム視聴の利用が、19時~23時に集中していることがわかります。
深夜や早朝は絶好調な回線でも、この混雑する時間帯に速度が低下するような安定性のなさでは、ゲームプレイに大きな影響が出てしまい後悔することになります。
通信の安定度や混雑度が調べられる上記のようなサイトを利用すれば、、回線選びに失敗する確率を下げることが可能です。
ネット回線の種類
・光
光回線は、光ファイバーケーブルを家まで引き込んで開通する回線通信のことです。
他のインターネット回線と比較して多少価格は高いものの、非常に通信速度が早く、ノイズの影響を受けにくいため安定した通信が可能です。
オンラインゲームなどの「一度でもネットが切断されたら困るコンテンツ」は、回線が命です。「速度と安定」を求めるなら、光回線一択と言えるでしょう。
・集合住宅は配線方式にも注意が必要。
1Gbps対応の高速な光回線を契約しても、配線方式によっては十分にその力を活かせない場合があります。
マンションなど集合住宅の場合は、各戸まで光ファイバーケーブルを引き込む光配線に対応していないことが多いため、事前に確認しておくことをおすすめします。
・VDSL
マンションの共用部分から各戸への引き込みに、既存の電話回線を使った配線方式です。この場合、通信速度は最大で100Mbpsとなります。・LAN配線
マンションの共用部分から各戸への引き込みに、LANケーブルを使った配線方式です。LANケーブルの規格によっては1Gbpsの通信速度でネットが利用できる場合もありますが、基本的には最大100Mbpsとなります。
・CATV
CATVとはケーブルテレビのことで、光ファイバーケーブルと放送用のアンテナ線を組み合わせて開設する回線通信のことです。
住んでいる地域の電柱までを光ファイバーで、そこから自宅までをアンテナ線で繋ぐ配線方式となります。
そのため、光ファイバーのみで開通する回線と比較するとノイズの影響を受けやすく安定性に欠け、ゲーム向きではないので注意しましょう。
・モバイルWi-Fi
モバイルwifiとは、小さなルーター端末を用いて基地局から電波を受け取り、自分の携帯やパソコンにインターネットをつなげる無線通信です。
スマホより小さい端末は持ち運びしやすく、いつでもどこでも気軽にネットが利用できます。引っ越し先でも解約せずにそのまま使用可能な点がメリットです。
とはいえ、無線通信のため安定性に欠け、特にPing値が大きくなりやすいので 、オンラインゲームにはあまり向かないと言えるでしょう。
・ホームルーター
かんたんに説明すると、据え置き型のwifiルーターを使ってネットを利用する無線通信です。
モバイルwifiと同様に、こちらもゲームにはあまり向きません。
ゲームプレイに必要な回線の性能はどれくらい?

ここまでは、ネット回線にまつわる用語や種類を解説してきました。
ここからは、「結局、どれくらいの通信速度・Ping値であれば快適にオンラインゲームがプレイできるの?」という疑問にお答えします。
・通信速度
一般的に、ゲームプレイ中は「下り30Mbps/上り10Mbps」の速度が安定して出せていれば問題ないと言われています。
ここでは、回線の種類ごとの平均通信速度をまとめてみました。
回線ごとの平均通信速度回線種別 ダウンロード(下り)速度 アップロード(上り)速度 光 229Mbps 203Mbps CATV 100Mbps 14Mbps モバイルWi-Fi 28Mbps 8Mbps ホームルーター 27Mbps 4Mbps 上記から、CATV回線以上であればゲームプレイ時の通信速度に関しては問題ないことが見て取れます。
・アップロード(上り)速度は重要じゃない?
ダウンロード(下り)速度 アップロード(上り)速度 ゲームプレイに
必要な回線速度30Mbps 10Mbps ほとんどのオンラインゲームでは、アップロードよりもダウンロードする情報のほうが多くなるため、プレイ中においてより重要なのは「ダウンロード(下り)速度」です。
とはいえ、ゲームプレイと並行して配信などの作業を行う場合は、「アップロード(上り)速度」についてもある程度のスピードを確保しておく必要があります。
配信サイトや画質設定によるため一概には言えませんが、10Mbpsが最低ライン、30Mbps程度を確保できれば不満を感じることはないでしょう。
では次に、ラグが起きる原因となりうる「Ping値」の目安の数値を見てみましょう。
・Ping値
Ping値はラグに直結する部分のため、低ければ低いほど良いものです。一般的な目安としては、50ms以下であればある程度快適にゲームをプレイできると言われています。
ただし、ラグが命取りになるFPSや格ゲーなどの対戦ゲームでは、20ms以下であることが理想です。
理想のPing値Ping値 一般的なゲーム 50ms以下 対戦ゲーム 20ms以下 回線種別ごとの平均Ping値回線種別 Ping値 光 27ms CATV 42ms モバイルWi-Fi 86ms ホームルーター 66ms
こだわって選ぶなら必見!「ダークファイバー」とは?

「ダークファイバー」とは、簡単に説明すると、「敷設したものの使われていない予備の光ファイバーケーブル」のことです。
NTTなどの通信事業者は、将来的な需要増加も見込み、多めにケーブルを敷設しています。そのうち使われずに余ったケーブルを開放し、他の事業者へ貸し出すことが、2001年に総務省から義務付けられました。
そのケーブル=ダークファイバーを使用し光回線サービスを提供しているのが、「NURO光」「auひかり」などです。
ではさっそく、ダークファイバー回線のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
回線選びにこだわりを持っているゲーマーにおすすめしたい、嬉しい要素が詰まっています。
・メリット
・通信速度が速い
ダークファイバー回線は各事業者が独自で回線設備を立てることができ、アクセスが集中しないよう分散させることが可能です。そのため、利用者が多い通常の光回線よりも混雑を避けやすく、高い通信速度を出すことができます。
例えば、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供している「NURO光」では、「下り最大2Gbps」の回線速度を提供しています。
最大速度が高いということは、それだけ実際の通信速度にも有利ということになります。
・通信が安定している
混雑が起きにくい独自回線の恩恵により、通信の安定性にも優れています。速度や応答速度が低下しにくく、どの時間帯でも維持できるというメリットがあります。
・デメリット
・工事に時間がかかる
ダークファイバー回線の開通には、屋内/屋外の2回に分けて工事を行う必要があります。通常1回の工事で済む光回線に比べ、開通までに時間が掛かる点がデメリットのひとつです。
・契約できるエリアが限定される
先程説明したとおり、ダークファイバーは使われていない「予備の回線」です。
回線が余っていない地域では、そもそも契約ができません。現状契約が可能なのは、関東や関西、東海、九州、北海道の一部エリアのみです。
【番外編】回線を変えずにスピードを上げる方法
・有線接続の場合
LANケーブルは、性能ごとにカテゴリ分けがなされています。
せっかく光回線を契約していても、端末に繋ぐLANケーブルに性能の低いものを使っていると、本来のスピードが出ないことがあります。
カテゴリ毎の最大通信速度をまとめた下記の表を参考に、自宅で使っているLANケーブルの性能を確認してみてください。
カテゴリ5以下のものを使っている場合は、それ以上のものに取り替えると、通信速度が上がるかもしれません。
カテゴリごとの最大通信速度通信速度 カテゴリ5(CAT.5) 100Mbps カテゴリ5e(CAT.5e) 1Gbps カテゴリ6(CAT.6) 5Gbps カテゴリ7(CAT.7) 10Gbps ・無線接続の場合
オンラインゲームにおいて無線通信は非推奨とされていますが、近年は超高性能なルーターが続々と発売され、Wi-Fi環境を自宅に整えるゲーマーが増えてきています。契約回線の最大速度を下回る低スペックな無線LANルーターを使用している場合は、ゲーム用のハイスペックモデルに買い換えることを検討しても良いかもしれません。
スマホゲーマーは特に必見!Wi-Fiルーターの選び方
この記事を見る
まとめ
この記事では、ネット回線の種類や用語について、またゲーマー目線での回線の選び方について解説してきました。
回線を契約して工事を手配し、やっと使える状態にするためには、それなりの労力や時間が必要です。これから新規で契約すると言う方も、回線業者の乗り換えをするという方も、後悔しないようばっちりリサーチしてから臨みましょう。
それでは皆様、良きゲームライフを。