理想の睡眠時間は何時間?
年齢と共に変わる睡眠時間の変化
あなたは日頃、何時間睡眠を取っていますか?理想の睡眠時間って何時間なんでしょう?
どれだけ長い時間寝てもなかなか疲れが取れない時もあれば、睡眠時間はそれほど長くないのに、スッキリ疲れが取れていると感じる時もありますよね。
いったいどれくらいの睡眠が必要なのでしょう。
このページでは、睡眠時間と死亡率の関係、年齢と共に変化する睡眠時間について説明してから、理想の睡眠時間を掲載しています。また、ショートスリーパー、ロングスリーパーの特徴等についても説明しています。
あなたに最適な睡眠時間が導き出すことができれば幸いです。
睡眠時間は長ければよいの?
睡眠時間は長ければよいのでしょうか。
平日毎日夜遅くまで仕事をして、週末はゆっくり昼まで眠っておきたいという人もおられると思います。また、「明日は朝まで遊ぶから、今日は寝溜めします。」というように、「寝溜め」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
長く睡眠時間を取れば取るほど、それだけ身体が休まるのでしょうか。
答えは「No」です。
寝溜めや、休みの日に昼まで眠ろうとする行為は、身体が寝ようとしていないのに、無理に睡眠を取ろうとする行為で、身体に様々な問題が生じてしまう恐れがあるのです。
寝すぎることは、寝不足と同じくらい睡眠のリズムを崩してしまい、心身共に悪影響を与えてしまうと言われています。
睡眠時間は長ければ良い、というわけではないのですね。
睡眠時間と死亡率の関係
それでは、睡眠時間と死亡率の関係を見ていきましょう。
前述にもあるように長い睡眠時間は、心身共に悪影響を与えることはわかりました。短時間睡眠は良くない事もなんとなくは知っていますね。
では、短時間睡眠、長時間睡眠は、具体的に身体はどんな影響を与えるのでしょうか。
短時間睡眠と長時間睡眠が、身体に与える悪影響をそれぞれ確認していきましょう。
短時間睡眠が身体に与える悪影響
- ・ストレスの蓄積
- ・免疫システムの脆弱化
- ・体重が増加する
- ・認知機能の低下
- ・うつ状態
- ・血圧の上昇
- ・身体運動量の低下
長時間睡眠が身体に与える悪影響
- ・心臓発作を発症するリスクが高い
- ・心血管疾患のリスクが高まる
このように睡眠時間は長くても短くても、あなたの身体に悪い影響を与えてしまうのです。
また、健康を損ない死亡リスクを高めると言われています。
下記グラフは、全国45地区約11万人、1988~90年にアンケートにより集められた情報を基に行われた研究結果をグラフ化したものです。
グラフを確認してもらうとわかるように、男性と女性で多少の違いはありますが、7時間睡眠の人が最も死亡リスクが低く、そこを中心にU字カーブを描いています。つまり、睡眠時間が7時間より少なくても多くても死亡リスクが上昇することがわかります。
睡眠時間は年齢とともに変化する?
年齢と適正な睡眠時間に関係はあるのでしょうか。
実は、年齢と共に睡眠時間は変化していきます。
歳を取るにつれて、睡眠時間は短くなる反面、寝床に入っている時間は長くなっていると言われています。
年齢による睡眠時間の違い
- 10歳まで 8~9時間
- 15歳 8時間
- 25歳 7時間
- 45歳 6.5時間
- 65歳 6時間
この睡眠時間の変化は、加齢によって必要とする睡眠時間が少なくなっていることが原因なのです。
「年を取ると昔ほど眠れなくなった」と聞くことがあると思います。それは、高齢になるにつれて、体内時計が加齢変化し、血圧や体温、ホルモン分泌等、睡眠を支える多くの生体リズムが前倒しになるからだと言われています。そのため、若い頃と比較すると、年齢を重ねる度に、早寝早起きになってゆくのです。
また、睡眠周波は、年を重ねるごとに、ノンレム睡眠のステージ3~4の深い眠りが減っているのです。
長い時間、寝床に入ったまま眠れない事も不眠に繋がるため、自然に眠くなる時間に寝床に入ることが大切なのです。
レム睡眠、ノンレム睡眠を詳しく知りたい方は、下記記事も合わせてご覧ください。
レム睡眠、ノンレム睡眠とは?違いを理解して良質な睡眠を取ろう!
睡眠時間は季節によっても変化する?
睡眠時間は季節によっても変化しています。
夏と比較して冬の睡眠時間は約30分長くなります。
意外かもしれませんがその理由は、気温の変化ではなく、太陽が出ている時間の長さに関係しているのです。
これは冬になると冬眠する、クマなどの哺乳類動物と同様の身体機能が、生まれつき人間にも備わっているからだと考えられています。
身体に備わっている体内時計が、日の出、日の入り時間の変化を感じ取って、それに合わせて睡眠時間の長さやタイミングを変える役割を担っているのです。
理想の睡眠時間は?
結局のところ、理想の睡眠時間は何時間なのでしょう?
理想の睡眠時間は7時間
理想の睡眠時間は、性別、年齢、基礎代謝量、疲労度等の複合的要素で決まってくるものなので、簡単に測定できるものではありません。
しかし、前述の「睡眠時間と死亡率の関係」にも記載している様に、最も死亡率の低い時間が7時間であることから、理想の睡眠時間は7時間であると言えます。
前述の様に個人差はありますが、アメリカの大規模調査の結果では、8時間を超えた睡眠時間の人は死亡リスクが上がっています。
一般的には、理想の睡眠時間は8時間という説もありましたが、根拠のない思い込みであった可能性があります。なぜかというと、理想の睡眠時間が8時間であることを裏付ける証拠や根拠が、一切見つかっていないからです。脳波を測定して得たデータによれば8時間睡眠するのは15歳くらいまでで、年齢を重ねるごとに必要な睡眠時間は減っていくものなのです。
睡眠時間4~5時間(ショートスリーパー)
理想の睡眠時間は7時間ですが、それよりも睡眠時間が短く健康状態を維持できている人が存在しています。
一般的な平均睡眠時間を必要とせず1日に4~5時間、またはそれ以下の睡眠時間しかとっていない人たちです。特殊な体質であったり、遺伝子に左右されるとも言われており、家族そろってショートスリーパーという事例もあるそうです。こうした、ショートスリーパー遺伝子を持つ人は、効率よく質の高い睡眠を取れる習慣があると言われています。
ショートスリーパーの有名人
- ・モーツァルト(音楽家)
- ・エジソン(発明家、起業家)
- ・野口英雄(医師、学者)
- ・明石家さんま(お笑いタレント)
- ・畑正憲(ムツゴロウさん)
睡眠時間9時間以上(ロングスリーパー)
ショートスリーパーとは逆に、平均よりも多く睡眠をとるロングスリーパーも存在します。一般的に、長時間睡眠をとるという体質は遺伝する傾向があり、中途覚醒の頻度が高く、眠りのレベルが浅いと言われています。
障害として扱われる過眠症と、ロングスリーパーは別物で、過眠症の場合、9時間、10時間睡眠をとっていても、日中に疲労感があり、昼寝を必要としますが、ロングスリーパーの場合は、十分な睡眠をとることが出来れば、日中の眠気や疲労感等を感じないとされています。
ただ、ロングスリーパーの症状は睡眠障害と捉えるべきかどうか、国際的に検討している段階だそうです。
ロングスリーパーの有名人
- ・アルベルト アインシュタイン(理論物理学者)
- ・横綱の白鵬(大相撲)
- ・ムハエル シューマッハ(F1ドライバー)
- ・イチロー(元プロ野球選手)
- ・水木しげる(漫画家)
睡眠時間を確保することが大切です
日中睡魔に襲われたり、休みの日にお昼近くまで寝てしまうというあなた、それは睡眠時間が足りていないサインなのです。日々の睡眠時間をしっかり確保して十分に身体を休めてあげることが大切です。そうしないといつの間にか、睡眠負債が身体に蓄積されて、心身共に悪い影響が出てしまうのです。
ベッドに入ってから実際に眠りにつくまでの時間をあらかじめ想定して、その時間も含めた睡眠時間を確保することが、十分な睡眠をとる近道ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか、今回は、理想の睡眠時間について書かせていただきました。
理想の睡眠時間は7時間でしたが、複合的な要因もあり、あなたにベストな睡眠時間が7時間ではないかもしれません。
まずは、睡眠時間を確保し、自分にもっとも適した睡眠時間を知ることが大切なのかもしれません。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。