8万円で100インチ!
家庭用プロジェクターで
“シアターゲーミングルーム”を作ろう
大画面でゲームに没入したいと思ったことはありませんか?テレビ(32インチ)やPCモニター(24インチ)ではもの足りない。かと言って50インチ超えの大型テレビを導入できるほどお金も場所にも余裕がない。そんなあなたにおすすめしたいのが「ゲーミングシアター」です。いわばホームシアターのゲーム版。部屋の壁面にプロジェクターの大画面を投影し、ゲーム世界にどっぷり没入するアイデアです。「機材とか工事とか、いろいろお高いんでしょう?」と思いましたか?いいえ、違います。工事は不要。機材を揃えても10万円以下。十分、検討に値する条件なんじゃないでしょうか。
この記事では、プロジェクター初心者のゲーマーを対象に、「8畳の自室に、予算10万円以下でシアターゲーミングルームを作る方法を解説していきます。記載する内容はすべて筆者の実体験をベースに構成しています。
シアターゲーミングルームで生活がこう変わった!
私は3年前にゲーム仲間にすすめられてシアターゲーミングルームを導入しました。予算はプロジェクター代の6万円ほど(※)。当時のテレビが40インチ12万円で購入したものだったので、半額で2倍以上の画面サイズ(100インチ)を実現できたことに衝撃を受けました。テレビを撤去した分、部屋が広がった点もGoodでした。とりあえずモンハンフロンティアでひと狩り。「あぁ、これもう戻れねぇやつだな」と実感しました。
※後述しますが、プロジェクター以外の備品はその辺の物で代用しました。
1. 100インチ!等身大のゲーム世界に没入できる
壁全体に巨大な映像が表示されます。私は一人称視点のオープンワールド系RPGが好きなのですが、100インチもの大画面になると、ほぼ等身大のゲーム世界に没入することができます。例えば、主人公が街を歩けば、まるで自分がその街を散策しているかのように風景が流れていくわけです。基本的に現実逃避としてゲームをしている私にとって、これ以上の楽しみはありません。(VRも好きなのですが、ヘッドマウントのストレスがない点でゲーミングシアターが一枚上手です)
2. 天井に投影すれば寝ながらゲームが可能
年末年始など長期の休みに入るとき、私はプロジェクターを天井に打ち上げています。ベッド上空に映像を広げることで、布団にくるまったままゲームをしたりアニメを見たり。夢いっぱいのゲーミング休暇を過ごせます。
3. テレビ、アニメ、スポーツ、何でも応用できる
いろいろな映像に応用して楽しみましょう。ゲーマーであるあなたは、たぶんアニメも好きですよね。ヒマがあったら動画サイトをふらふらしているという人も多いのでは。男性ならスポーツバー感覚のサッカー観戦はいかが?これらすべてがプロジェクターの巨大画面で楽しめるのです。
4. テレビを処分して部屋を広く使える
私の場合、40インチのテレビを処分してプロジェクターを導入したため、部屋のスペースが大幅に節約されました。どんなに薄型のテレビでも「壁に投影する」プロジェクターにはかないません。
シアターゲーミングルーム導入にかかる予算
具体的な予算感を知りたい人のために、シアターゲーミングルームに必要なアイテムリストを参考価格付きで紹介していきます。プロジェクターやホームシアターと聞くと「会社の会議室で使うもの」とか「お金持ちが趣味でやること」などとハードルの高さを感じてしまうかもしれません。でもそれは一昔前のお話。最近のプロジェクターはどんどん改良が進み、小型・安価・高性能と三拍子そろった“家庭用”モデルが多数発売されているのです。
必要なモノと予算感
このように、総額8万円前後で十分なセットが組めてしまいます。8万円といえば、2017年10月現在、国産の液晶テレビ43インチ前後の相場とほぼ同じです。
必要なモノ 予算 備考 プロジェクター本体 ¥60,000~90,000 フルHDがおすすめ スピーカー ¥5,000~ 2.1chがおすすめ プロジェクター台 ¥5,000~10,000 意外と重要 スクリーン ¥5,000~10,000 白壁なら不要 遮光カーテン ¥3,000~5,000 あれば理想的 参考までに私のセットも掲載します。セットというかプロジェクター本体のみです。他はすべて自宅にあるもので代用できました。必要性を感じなかったスクリーンは3年たった今でも使っていません。
私のセット 予算 備考 プロジェクター本体 ¥60,000 HD画質 スピーカー 0 PC向けで代用 プロジェクター台 0 本棚で代用 スクリーンなし 0 壁にダイレクト投影 遮光カーテン 0 もともとあるカーテン 各アイテムの紹介
プロジェクター本体
各社から発売されている、10万円以下のクラスで十分です。大画面でも美しい映像を楽しむには、おおむね6万円~のフルハイビジョン画質(1920×1080)がおすすめです。私は当時6万円のハイビジョン(1280×720)モデルでスタートしたのですが、それでも初心者には満足ゆく画質でした。というより、壁いっぱいに広がる大画面に圧倒されて、画質の優劣など気にならなくなっていたという感じです。
↓10万円以下フルハイビジョンの条件ですぐ目につく、エプソン、ベンキュー、エイサーの3社。ゲーマーにも馴染み深いメーカーが並ぶ。
スピーカー
こだわるとキリがないのが音響関係です。プロジェクター本体よりずっと高額なセットも販売されています。この記事では「プロジェクター初心者のゲーマー」を想定していますので、まずはPC用のスピーカーで代用してみましょう。ウーファー付きの2.1chスピーカーなら申し分ありません。
↓私が長年愛用しているロジクール社の定番スピーカー。ウーファー付きの2.1chタイプは各社から5,000円程度~で発売されている。
プロジェクター台
意外に苦労したのはコレでした。正確かつ最適な高さで映像を表示するには、安定したプロジェクター台が重要になります。私は高さ60cmほどの本棚にプロジェクターを乗せ、週刊誌などで高さを微調整しています。
しかしこの方法だと、ちょっとぶつかるだけで画面がズレてしまい、なかなか面倒です。この経験を元に、高さ調節と周辺機器の収納に対応したプロジェクター台を開発しましたので、興味のある方はご覧ください。ゲーム機、ゲームソフト、ブルーレイレコーダーをまとめて収納できるので、ワンルームに省スペースでプロジェクターを導入したい方にはハマると思います。
スクリーン
プロジェクターには専用スクリーンが必須、と思っている方も多いですが、環境によっては不要です。私のマンションように、無地の白壁ならそのままキレイに投影できるんです。しかも、スクリーンサイズに縛られず、壁いっぱいの大画面でゲームを楽しめるメリット付き。まずは壁へのダイレクト投影を試してみましょう。
遮光カーテン
最近の高出力プロジェクターは明るい部屋でも使用可能ですが、しっかりとコントラストを表現にするには、なるべく暗い部屋の方が理想です。遮光カーテンには「1級」「2級」「3級」と遮光レベルがあり、もっとも優れた遮光が1級です(99.99%以上の光をカット)。まずは今あるカーテンで試してみて、不満を感じるようなら1級遮光カーテンを買い足す、という流れで良いでしょう。私は結局、もともと使っていた2級遮光カーテンを継続利用しています。基本的にゲームをするのは夜なので、街灯をカットできるぐらいの遮光性で十分なのです。
遮光カーテンの種類と正しい選び方
プロジェクター導入前の下調べ
1. 部屋が無地の白壁なら、スクリーンは不要!
スクリーンの項で説明した通りです。多少の凹凸があっても意外に綺麗に表示できますので、「うちは白壁だ」という人は、とりあえずプロジェクター本体だけ買って投影してみましょう。映像の粗が気になるようならスクリーンを追加すればいいだけです。
2. 投影距離から画面サイズを推測する
あなたの部屋で表示できる画面サイズは、「部屋内の投影距離」で決まります。投影距離とは、プロジェクターから壁面までの距離なのですが、この距離が開けば開くほど、大きな映像を映し出すことができます。参考までに、わたしが使用しているプロジェクターで表示できる画面サイズと対応する投影距離をリスト化してみました。自分の部屋ならどれぐらいの画面サイズが期待できるのか、事前に想定してみましょう。
※最小、最大投影距離はメーカー各社の情報を調べてください。画面サイズ 投影距離(約) 100インチ 3m 80インチ 2.5m 60インチ 2m 斜めからの投影距離も測定
たいていのプロジェクターには、映像の「角度補正機能」が搭載されています。斜めから投影された映像を真正面の映像に補正する機能ですね。角度補正をうまく使えば、部屋が狭くて正面の投影距離が稼げない場合にたいへん有効です。角度補正の有無、その補正能力はメーカーやモデルによって様々ありますので、気になる人は各社公式ページで確認してみましょう。
短焦点プロジェクターという救世主
斜めからでも十分な投影距離が取れないという方もいらっしゃるでしょう。そんなあなたには短焦点タイプのプロジェクターがおすすめです。短焦点とは「投影距離が短くても、大きな映像が映せるよ」というものです。例えば、ベンキュー社の短焦点モデルなら、わずか1.5mの投影距離で約100インチの大画面表示が可能です。わたしのプロジェクターと比べて、半分ぐらいの投影距離でOKなのですね。価格はやや割高になりますが、それでも10万円以下で購入可能です。予算に余裕があるなら、エイサー社の「ゲーミングプロジェクター」なる素敵なネーミングの短焦点モデルも選択肢に入ります。
↓エイサー社のゲーミングプロジェクター Predator Z650。厨二感全開のデザインでインテリアのアクセントにもなる。
プロジェクターのデメリット
1. テレビに比べると高精細に見えない
同じフルハイビジョン(1920×1080)でも、プロジェクターの方がテレビより画像がボヤけて見えることがあります。画面の大きさに比例して、ひとつひとつの画素が広がるためです。このあたりは、「大画面を取る」か「高精細を取る」かのトレードオフと言えましょう。私の場合は、極端なハイスペックよりも、全身がゲーム世界に飲み込まれていく没入感だとか、ベッドに寝転がったまま天井でゲームをするとか…そういう究極的なライフスタイルに憧れていたので、プロジェクターを導入することに何の引っ掛かりもありませんでした。
2. 暑い
動作中に温風が排出されるため、狭い部屋だと室温が上昇する可能性があります。夏場はエアコン代を節約しているという方には不向きかもしれません。私はガンガンに冷房をかけるので問題ありません。反対に冬場はちょっとした暖房がわりになってお得です。
3. 動作音がする
モデルによると思いますが、私が使用しているエプソンは、起動時にブワォォオオンとけたたましい動作音を上げます。起動後も「シュー」と、うっすら動作音を発し続けます。ゲームのBGMよりは小さいので気になりませんが、神経質な人はデジタル耳栓をするなどして対策するといいでしょう。おすすめはキングジムさんのデジタル耳栓。ゲーム音には(あまり)干渉せず、環境ノイズだけをカットしてくれる優れものです。
重要なことまとめ
初めてプロジェクターを導入するゲーマーを対象に、シアターゲーミングルームづくりの基礎知識を解説してきました。分かりにくかったところはないでしょうか? 最後にこの記事の要点をまとめておきますね。
- ・テレビを凌駕する圧倒的な大画面がプロジェクターの強み
- ・アニメ、映画、スポーツ観戦など、ゲーム以外にも広く応用できる
- ・大画面か高精細か。自分の求めるゲーム環境を明確にしよう
- ・事前にあなたの部屋が対応できる投影距離と画面サイズを測定しておこう
- ・おおむね6万円~でフルハイビジョンプロジェクターが手に入る
- ・部屋が狭い人には短焦点プロジェクターがおすすめ
- ・スクリーンや遮光カーテンは必要を感じたら買い足せばOK
分からないことがあれば、ツイッターでお気軽に連絡ください。反響が良ければ関連記事も増やしていきます。わたし自身ゲーミングシアターが大好きで、可能なかぎり多くのゲーマーにこの素晴らしさを伝えたいと思っています。よろしくお願いします。
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いちおう自社商品の宣伝だけさせておいてください。プロジェクターの大画面を視聴するには、リクライニング機能のついたハイバック座椅子がおすすめ。弊社商品では、ゲーミング座椅子 GX-550 がそれに該当します。なぜリクライニングが必要なのかと言うと、床に座った状態から見ると、自分の目線より高い位置に画面がくるためです。リクライニングを倒して、軽く見上げるような体勢を作ると楽に視聴できるようになります。
最上部にプロジェクターを設置できる背の高いスチールラック。ラック部分にゲーム機やパソコンを収納して、部屋全体を夢の「ゲーミングシアター」に改造しましょう。
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