「疲れ目ゲーマー」必見!
原因と対策方法を学んで快適にプレイしよう!
ゲームを散々プレイした後に待っている、目の重だるさ。人間は「情報収集の8割を視界から得ている」と言われていますが、特にモニターを凝視してしまうゲーム中は、目への負担が集中して疲労が蓄積しがちです。
この記事では、ゲームによる疲れ目についての原因と対策法を解説します。
[動画]デスクでできる簡単ツボ押し3選
ゲーミング整体でもおなじみ「鳴尾ぴっと骨盤整体院」の影山先生が、30秒で実践できるツボの推し方を解説します。ゲーム中のちょっとした空き時間に是非取り入れてみてください。
1. ゲーマー1,000人のお悩み第1位、「目の痛み」
『疲れ目ゲーマー』と聞いて、自分もそうかも…と思った人も多いはず。バウヒュッテが約1,000人のゲーマーに対して実施したアンケート調査※では、「(PCゲームなど)デスク作業中に気になる身体の不調」として「目の痛み」をあげた人が半数以上を占めるという結果となりました。国民病ともいわれる「腰痛」を抑え、第1位となったのです。
▼デスクワーク中に気になる体調不良(複数回答可)
※「お部屋環境調査」(回答数1144件)、2018年1月~8月、インターネットアンケート
2. どうしてゲームをすると目が痛くなるの?
多くのゲーマーが悩む「目の痛み」は、なぜ引き起こされるのでしょうか。
●目の乾燥
目の表面には常に涙の膜が張られています。涙には、乾燥から目を保護し、栄養や酸素を供給するなど、目を健康に保つための重要な役割があるのです。
涙腺で作られた涙はまばたきによって広がり、目の表面全体を覆う膜となります。そうして広がった涙は、時間の経過と共に蒸発したり、鼻腔へと流れたりすることによって失われます。私達は、涙の量が少なくなったらまばたきをして涙の膜を張りなおす…というサイクルを自然と繰り返しているのです。まばたきが少なければ少ない分だけ、目は乾燥していきます。
まばたきは通常時平均約20回/分していると言われますが、なにかを集中して見ている時は自然と回数が減少します。筆者は通常時が23回/分だったのに対し、PC作業時はたったの5回/分のみでした。ゲーム中は長時間モニターを凝視することになるので、当然まばたきの回数が少なくなります。
目が乾いた状態がつづくと、ゴロゴロとした違和感や疲労感が蓄積されていきます。ひどい場合は、目の表面に傷ができたり、見えづらさにつながったりする場合もあるのです。
●ブルーライト
最近よく話題となっている「ブルーライト」は、角膜や水晶体で吸収されることのない、強いエネルギーを持った光です。ヒトが目で見ることのできる可視光線のうち最も波長が短い、青色光です。PCモニターやスマートホン、携帯ゲーム機に採用されているLEDモニターの光には、このブルーライトが多く含まれています。
眼球の奥にある網膜まで直接届くブルーライトは、目にダメージを与え、眩しさやチラつきを感じさせます。強い光を見続けることで目が疲れ、コリや痛みを生じさせる大きな要因のひとつであるといわれています。
ブルーライトについての詳細はこちらを参照してください。PCやスマホのブルーライトって結局影響あるの?対策方法を徹底解説
●目のピント
カメラのレンズと同じように、ハッキリとものを見るためには目の中でピントを調節する必要があります。毛様体筋と呼ばれる筋肉が、水晶体を薄めたり厚くしたりすることでピントをあわせているのです。遠くを見るときは水晶体を引っ張って薄くする=毛様体筋の力が抜けた状態、近くと見るときは水晶体を膨らませて厚くする=毛様体筋に力が入った状態になります。
ゲーム中は目の前にあるモニターを長時間集中して見るため、毛様体筋は緊張状態のままピントを合わせ続けます。すると筋肉に負担がかかり、重だるい目の疲れが生じるのです。
3. ”疲れ目”に悩む前に
前項にあげた「疲れ目の原因」は、ゲームをしているとなかなか避けて通ることは難しそうです。だけどそれでも、ゲームがしたい!…ゲーマーであれば誰しもがそう思うのではないでしょうか。こちらの項目では、目に負担のかかりにくいプレイ環境や対策法を見ていきます。
●目の乾燥対策
ゲーム中つい少なくなってしまう、まばたき。意識してまばたきの回数を増やすことが出来ればいいのですが、熱中しているとなかなかそうはいきません。部屋の環境を整えたり、ドライアイ対策アイテムをうまく取り入れたりして、目をいたわりましょう。
エアコンの風向きを調整する
顔に直接風があたらないように、エアコンの風向きを調整しましょう。サーキュレーターや扇風機などを活用して空気を循環させれば、風向きを固定したまま室内全体の温度を整えることが可能です。配置的に風向きを避けることが難しい場合は、ついたてや風よけカバーなどを設置する方法もあります。
加湿器の設置
湿度の低い乾いた空間では、目も乾燥しやすくなります。特に冬場は空気が乾燥しやすく、エアコンなど暖房器具の使用により湿度が低くなりがちです。
厚生労働省が定める「建築物環境衛生管理基準」によると、環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な相対湿度は「40%以上70%以下」とされています。気温によって湿度60%を上回るとダニやカビが発生しやすくなる場合もあるので、50%前後を目安に湿度の管理をするのがベターです。
モニターの設置高さを調整する
高い位置にあるものを見ようとすると、上目遣いで大きく目を見開いた状態になります。涙の膜は目の表面からも蒸発していくので、上向き視線で長時間ものを見続けることは好ましくありません。
PCやテレビなどのモニターは、画面の中心が目線より少し下にくるように設置するのがオススメです。昇降式のモニター台やモニターアームなどを活用し、体格や姿勢にあった適切な高さに設置しましょう。
▲弊社内のスタッフでテストを行った結果、画面の中心が視線よりも10~15度ほど低くなるように設置すると快適に見れるとの意見が多数でした。
※最適な高さ設定は部屋の環境や体格、姿勢によっても異なりますので、お好みにあわせて調整してください。ドライアイ対策グッズの導入
長時間のゲームプレイやデスクワークなど、目を酷使する作業を行う際は、目薬を点眼するなどして潤いを補いましょう※。目薬をさした後は、目頭を軽くおさえながら1分ほど目を閉じているのが効果的とされています。
※ドライアイ対策を掲げた目薬も多く市販されていますが、それでも改善がみられない場合は、眼科医の指導の下適切な治療を受けることが必要です。また最近では、フレームに保水タンクを搭載したドライアイ用メガネも販売されています。メガネをかけることでエアコンなどの直風を避ける効果もあるので、目の乾燥が気になる場合は活用してみるのもオススメです。
●ブルーライトから目を守る
PCやスマホと1日中向き合っているゲーマーにとって、ブルーライトをいかにしてカットするかが重要な課題です。こちらで紹介する対策法はいずれも手軽なものですので、ぜひ実践してみてください。
モニターの色温度を調整する
LEDモニターのバックライト(白色)の多くは、青色LEDを補色である黄色の蛍光体に通すことで表現されています。見え方は白色であっても、実際は多くの青色光=ブルーライトが含まれているのです。「色温度が高い」状態というのは、この青色光の含有率が最も高い状態を指します。一般的に、PCなどのモニターの初期設定は、色温度が高い状態となっていることが多いようです。
殆どのモニターは、色温度の設定を後から調整することが可能です。色温度を下げ、青色光の含有率を下げることで、ブルーライトの対策をとることができます。
ブルーライトカットアイテムの導入
数年前から、ブルーライトをカットするフィルムやメガネが多く市販されています。高いカット率を持ちつつも黄色味を抑えたものが増えてきているので、過去に使っていて色味が気になっていた人は、最新のものを試して見てもいいかもしれません。値段も手ごろなものが多く、気軽に導入できるのがメリットです。
ブルーライトについての詳細はこちらを参照してください。PCやスマホのブルーライトって結局影響あるの?対策方法を徹底解説
●目の”こり”対策
「疲れ目」と聞いて、目のこりをイメージした人も多いのではないでしょうか。目の疲れが蓄積すると、首の痛みや肩こりにも繋がると言われています。ゲーム=疲れる作業となる前に、簡単にできるストレッチなどを取り入れましょう。
ピントストレッチ
同じ場所に長時間視点をあわせていると、ピントを調節する毛様体筋がこり固まり、目に負担がかかってしまいます。特に、近くにピントをあわせた状態=毛様体筋が緊張した状態が続くのは好ましくありません。ゲームの合間に、モニターから視点をずらし遠くを見つめることで、毛様体筋のストレッチを行いましょう。
- ①数メートル先に視点をあわせ、5秒ほど眺める。
- ②ゆっくりと視点を手元に移し、5秒ほど眺める。
- ③上記の動作を5~10回程度、1時間毎に繰り返す。
モニターを適切な距離に設定する
適正視聴距離の目安は、「画面の高さの約3倍」と言われています。例えば、ゲームで使うモニターが27インチ(高さ33cm)の場合、約99cm離れて見るのが適正という計算です。一方、市販されているPCデスクの多くは奥行きが45~60cmほどしかありません。
そこでオススメなのが、デスク後付け家具の追加設置です。デスクにモニター台やキーボードスライダー等を取り付けることで、適正視聴距離が保てる十分な奥行きを確保することができます。
4. 「目が疲れたな…」と思ったときは
疲れ目対策をとっていても、ゲームを長時間プレイしていると目に大きな負担が掛かってしまいます。目の疲れを感じたら、痛みに発展する前にケアをしておきましょう。
●目の周りをあたためる
目の”こり”は、筋肉が過剰に緊張することで起こります。その”こり”をほぐすのに効果的なのが、目をあたためること※。血流を改善し、緊張した筋肉をリラックスさせることが可能です。市販のホットアイマスクを活用するのも手軽ですが、ここでは蒸しタオルを使った方法をご紹介します。
※充血や炎症などをおこしている場合は、あたためると症状を悪化させる危険性がありますのでご注意ください。- ①タオルを濡らして硬くしぼり、レンジで1分ほど加熱する。
- ②やけどに注意しつつタオルを取り出し、一度広げて適温まで冷ます(目安は40度程度)。
- ③畳んだタオルをまぶたにのせ、3~5分ほどかけてじんわりとあたためる。
タオルがすぐに冷めてしまう場合は、蒸しタオルをラップでくるむか、乾いたタオルでくるむと長持ちします。
●目の周辺マッサージ
目の周辺には、疲れ目に効くとされているツボが存在しています。ツボの位置を軽く押し上げるようにして、5回ほど刺激するとすっきりします。目を擦ったり、眼球を強く押したりしないよう、目の周辺をマッサージする感覚でやるのがポイントです。
- ・攅竹(さんちく):眉頭付近、目頭上にあるくぼみ
- ・太陽(たいよう):こめかみから目尻に向けて下りてくる箇所にあるくぼみ
- ・晴明(せいめい):目頭付近、鼻の付け根あたりにあるくぼみ
●究極は目を休めること!
本項では疲れ目のケア方法についてご紹介しましたが、一番の方法は「目を休めること」。合間に目を閉じて休憩を挟んだり、しっかりと規則正しい睡眠をとることで、目の回復力を高めましょう。
厚生労働省が2016年に出したガイドラインによると、「1時間のVDT(デジタルモニター機器)作業を行った際には、15分程度の休憩を取る」ことが推奨されています。時間が経つのも忘れてゲームに熱中してしまうという人は、アラームを設定するなどして休憩をとるように意識してみてください。
5.まとめ
ゲーマーの多くが感じている、「目の痛み」。目を酷使することで蓄積した疲労は、やがて全身へと広がります。時には、心身の病の原因となってしまう場合もあるのです。ただの疲れ目だから…と思わずに、できるところから対策やケアを取り入れましょう。