毛布を自宅で洗濯!
洗濯機で洗う方法~干し方まで伝授します
寒い冬には欠かせない毛布。冬はほぼ毎日、毛布を使っているという方も多いのではないでしょうか。
そこで皆さん、毛布の手入れはどうしていますか?
毎日使う毛布には意外とホコリが溜まっていたり、知らない間に汗や皮脂で汚れてしまっています。直接肌に触れる毛布は、なるべく清潔に保ちたいですよね。
だからといって、毛布は大きい上になかなか乾かないから頻繁に洗えないし、そもそも自宅の洗濯機で洗っていいものかも分からないって方も少なくないと思います。
今回は、毛布を自宅で綺麗に洗濯するために欠かせない知識や正しい手順をご紹介します。
自己流のまちがった洗濯方法で毛布が傷んでしまった…なんてことにならないよう、徹底的にマスターしましょう!
そもそも毛布って洗濯機で洗えるの?
そもそも毛布は洗濯機で洗えるのでしょうか。
『洗濯機で洗うと毛布の生地を傷めてしまうのでは?』と思われた方も多いかもしれません。確かに、せっかく綺麗に洗ったのに毛布をダメにしてしまった…なんてことになったら悲しいですよね。
結論からいうと、洗濯機で洗える素材のものであれば問題ありません。一般的な毛布のほとんどは洗濯機OKの素材でできていますが、中にはNGのものもあるので注意が必要です。
ではさっそく、洗濯できるものとできない毛布の見分け方について確認していきましょう。
毛布を洗濯する前にチェック!
毛布を洗濯する前に、必ずチェックしなければいけないことが2点あります。
チェック1.洗濯表示タグを見る。
家庭で洗濯できるかできないかを見分ける時は必ず、洗濯表示タグをチェックしなければいけません。まずは、洗濯したい毛布についている洗濯表示タグを見てみましょう。そこに洗濯機マークや手洗いマークがついていれば、自宅で洗うことができる毛布となります。ただし、マークに×がついているものは家庭洗濯できず、クリーニングのみ可能となりますので気をつけてください。
少し補足ですが、2016年から新しい洗濯表示に変わっています。外国と共通の洗濯表示になりましたので、海外で買った毛布でも安心して洗濯することが可能となります。
知らなかったという方、詳しくは下記URLで確認してみてください。
消費者庁ウェブサイト「新しい洗濯表示」念のため、毛布の素材も見ておきましょう。洗濯できる素材の代表格に、「アクリル」や「綿」、「ポリエステル」等があります。基本的には洗濯できるものが多いのですが、中には洗濯できない(厳密には洗濯すると生地に変色や変形、伸縮してしまう)素材の「絹」や「カシミヤ」等を使用している毛布もあるので要注意です。
また、この後解説する洗濯洗剤の選び方にも関係してくるので、毛布の素材は必ず確認しておきましょう
チェック2.洗濯機の容量を確認する。
たとえ、家庭洗濯可能な毛布だったとしても、洗濯機に入らなければ洗濯できないですよね。だからといって、洗濯機に収まらない大きさの毛布を無理やり押し込んで洗濯すると、洗濯機の故障の原因になってしまいます。
そのようなことにならないよう、自宅にある洗濯機の容量を1度チェックしてみましょう。毛布を洗濯するための容量の目安として、7kgの洗濯機でシングルまたはシングル2枚仕立ての毛布を1枚、8kgの洗濯機で約4kg分の毛布が洗濯できるとされています。
容量5㎏の洗濯機は、薄手の毛布であれば洗濯は可能です。しかし、厚手の毛布だと容量が足りず、綺麗に洗えないことが多いので不向きといえるでしょう。
上記2点のチェックができましたら、さっそく洗濯していきましょう。洗濯方法については次に解説していますので、このまま読み進めてくださいね。
毛布を洗濯しよう!その際に抑えておきたいポイント4つ
洗濯表示、洗濯機の容量のチェックを終えたらいよいよ洗濯です。毛布を洗濯する際には、下記の4つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
1.あらかじめに毛布の汚れを確認
まずは、毛布を洗濯するための準備をしましょう。ベランダの物干し竿に毛布を掛けて、軽くパンパンと叩いてください。目には見えていなくとも、毛布には多くのホコリが溜まっています。毛布全体を軽く叩いて、しっかりとホコリを落としましょう。またその際、髪の毛などがついていた場合は取るようにしてくださいね。
次に、毛布全体を見渡してシミ等の汚れがないかチェックしてください。もし汚れがあれば、洗剤を少量つけたブラシを使って軽くこすり洗いをしましょう。事前に汚れを落とすことで、洗濯後の仕上がりが綺麗になります。もし汚れがひどく、ブラシでなかなか取れない場合は、洗剤をしみこませて5分ほど置いてから、布やブラシで軽く叩くようにすると落ちやすくなります。
少し手間に思えますが、こうした下処理をすることで、洗濯後の毛布をすっきり綺麗に仕上げることができます。
2.毛布を洗濯する際に使用する洗剤を選ぶ
ホコリや汚れを落とし終わったら、洗濯に使用する洗剤を選びます。
毛布を洗濯する際は、できるだけ液体洗剤を使用するようにしましょう。なぜかというと、粉洗剤の方が洗浄力は高いのですが、その分毛布を傷めてしまうことや、溶けきれずに残ったりすることもあるからです。
それではさっそく、洗剤の容器を見てみましょう。洗濯したい毛布と相性がいい洗剤を見分けるには、その洗剤の特徴や用途、使い方等をよく読まなければなりません。洗濯洗剤の容器には漂白剤や蛍光増白剤、酵素系の配合なども記載されていますので、必ずチェックするようにしてくださいね。
毛布の素材がアクリルやウールだった場合は、おしゃれ着用の中性洗剤がベストとされています。綿の場合は通常の洗剤でもかまいませんが、漂白剤が使用できるかどうか、洗濯表示タグを必ずチェックしておきましょう。洗濯表示タグには、漂白剤を使用できるかどうかが記載されていますので、洗剤の容器も確認して漂白剤の配合等もしっかりと見ておく必要があります。
また、前までの洗濯表示タグには、中性洗剤を使用するといった意味の「中性」と記載されているマークがあったのですが、現在の洗濯表示タグにはそのマークがなくなっています。そのため、毛布の素材や洗剤の容器は念入りにチェックしましょう。
3.洗濯機に入れる際に洗濯ネットを使う
洗濯機にそのまま毛布を入れると、高確率で引っかかったり擦れたりするので生地が傷んでしまいます。そのため、毛布を洗濯機に入れる際は毛布用、もしくは大きいサイズの洗濯ネットを使用するようにしましょう。もちろん、自宅の洗濯機に合った大きさのものを選んでくださいね。
また、毛布を洗濯ネットに入れる時は、屏風畳みにして入れましょう。屏風畳みをすることで、水や洗剤を毛布全体にいきわたるようになります。
屏風畳みの方法
1.毛布を広げた状態で置く
2.左右どちらかで山折り、谷折りを繰り返し、毛布を細長い状態にする。
3.上下を半分に折りたたんで、正方形に近い状態にする。
上記のように畳めたら、そのまま洗濯ネットに入れましょう。
もし洗濯ネットが自宅にない場合は、屏風畳みの序盤、細長にした状態の毛布をくるくると丸めて紐で結んでください。毛布に色落ちしないよう、色のついてない紐を選びましょう。
4.洗濯機で毛布を綺麗に洗うために
毛布を洗濯ネットに入れた(もしくは、紐で結んだ)状態まで出来たら洗濯機に入れましょう。この時、縦型洗濯機の場合は、汚れのついた部分を洗濯槽の底部分に向けて入れると、汚れが落ちやすくなるのでオススメです。
洗濯機に入れたら後は、ご自宅の洗濯機に合わせてコースを選びましょう。毛布コースがある場合は毛布コースでいいのですが、ない場合は手洗いコース、もしくは弱洗いコースを選んでください。
また途中で、洗濯槽に水が溜まってきたら一旦洗濯機を止めて、両手で毛布を押し込んでください。こうしてしっかり洗剤液につけておくと、更に綺麗に洗うことができます。
こうした4点のポイントを押さえておくだけで、毛布の汚れも落ちやすくなり、綺麗に洗濯することができますよ。
最後の仕上げ!毛布の正しい干し方
洗濯し終わったら、後は毛布を干すだけです。
毛布を使用する冬は日照時間も短く、太陽の熱が弱めなので、毛布を洗って干しても乾きにくいところが難点です。だからといって、生乾きのままではダニや雑菌が繁殖する原因となる場合があるので、毛布を干すときは最後までしっかりと乾かしましょう。
毛布を効率よく乾かせるポイントを2つ、ご紹介します。
ポイント1.素材によって、干す場所を変える
ここでもまた、洗濯表示タグの出番です。
洗濯表示タグには、「日向」か「日陰」のどちらに干したほうがよいかが記載されています。もし、日陰と記載されている毛布を日向で干してしまうと、直射日光が原因で色褪せたり、生地が傷んだりする可能性があるので要注意です。毛布を干すときは洗濯表示タグに記載されている通りの場所を選んでくださいね。
ポイント2.毛布は「M字干し」で効率よく乾かす
毛布を干すときは、2本の物干し竿を使ってM字になるように干すと風通しがよくなり、効率よく乾かすことができます。
もし、物干し竿が1本しかない場合は、ハンガーでひと工夫することができます。複数のハンガーを用意して物干し竿に掛け、その上から毛布をかぶせるように干しましょう。こうすることにより生地同士がくっつくのを防いで、毛布の隙間に空気の通り道を作ることができます。
こうして工夫するだけで効率よく乾かすことができ、毛布の仕上がりもよくなります。干し方1つで毛布の仕上がりも変わるので、上記2つのポイントを押さえて最後までしっかりと乾かしましょう。
(番外編)洗濯機以外での毛布の洗い方
『自宅の洗濯機で洗えない毛布はどうしたらいいの?』といった方に向けて、家庭の洗濯機以外での洗い方も3点ご紹介します。
〇手洗いでの洗い方
まず毛布を手洗いする前に、必ず洗濯表示を確認してくださいね。
毛布を手洗いで洗うときは基本、浴槽で行うようにしましょう。浴槽は十分に水を溜めることができますので、綺麗に丸洗いしたい時にはとても便利です。
1.毛布の汚れ、ホコリを落とす。
手洗いする前に、あらかじめ毛布の汚れやホコリを取っておきましょう。汚れ、ホコリの落とし方は前述と同じ方法で行ってください。
2.浴槽に30℃くらいのぬるま湯を張り、洗剤を入れる
毛布の汚れやホコリを取り終えたら、浴槽に30℃くらいのぬるま湯を張ってください。
なぜ30℃のぬるま湯かというと、その温度がもっとも生地を傷めにくく、汚れも落ちやすいとされているからです。『熱いお湯の方が汚れが取れそうだから』と、高い温度のお湯を使って手洗いすると、逆に生地を傷めてしまう場合があるので極力避けてください。
ぬるま湯がある程度溜まったら、そこに洗剤を入れます。ここで使う洗剤も、前述に記載したとおり、毛布に合ったものを使用してくださいね。
3.毛布を浴槽に入れ、足で踏む
洗剤を入れて、浴槽に満遍なく広がるように混ぜたら、毛布を屏風畳みにして浴槽の中に入れてください。そして毛布をぬるま湯に浸したら、その上から足で踏み洗いをしてください。手で洗うよりも、足で踏み洗う方が負担も少なく綺麗に洗えますのでオススメです。
途中で上下をひっくり返しながら、毛布全体を隅々まで足踏みしてください。この時、滑って転ばないように気をつけてくださいね。
4.全体が洗い終わったら一度、ぬるま湯を入れ替える。
浴槽の水が黒く濁ったり、気になる汚れが落ちたのを確認した後は、一度ぬるま湯を抜いて、新しいぬるま湯に入れ替えましょう。
新しいぬるま湯に入れ替えたら、洗剤を溶かして再び毛布を踏み洗い、濁ってきたらまた入れ替え・・・といった一連の流れを数回行ってください。これを、ぬるま湯が濁らなくなるまで繰り返しましょう。
5.毛布全体をよく踏み、洗剤を落とす。
ぬるま湯が濁らなくなってきたら、次は洗剤をしっかりすすぎます。この時、毛布に洗剤が少しでも残っているとカビや臭いの原因となってしまうので、すすぎの水が濁らなくなるまでよく踏んで、しっかりと洗剤を落としてくださいね。
洗剤を落とし終わったら、今度はしっかりと水気を取りましょう。浴槽からぬるま湯を抜いた後に毛布を踏んで、水気を取っていきます。この時、絞れる部分は絞るようにすると、毛布の乾きも早くなる上に毛布の重さが少し軽くなるので、毛布を干す際は少し楽になりますよ。
6.毛布を干す
後は最後の仕上げ、毛布を干すだけです。毛布の干し方は、前述を参考にしてみてくださいね。
以上が手洗いの方法ですが、時間も体力も必要で結構大変ですよね。なるべくなら洗濯機で洗ってしまいたいものですが、なかには手洗いのみ可能な毛布もあるので、根気よくトライしてみてください。
〇コインランドリーで洗う
続いて、コインランドリーで毛布を洗う手段です。こちらも、洗濯可能な毛布のみ持ち込むようにしてくださいね。
まず、コインランドリーで毛布を洗うメリットをまとめてみました。
メリット1:自宅で洗うより綺麗に洗濯できる
コインランドリーで洗濯することは、雑菌やダニ対策にも効果的だと言われています。なぜかというと、コインランドリーの乾燥機には天日干しでは得られない高温風で乾燥させる機能があるためです。
また、自宅の洗濯機とは違ってコインランドリーの洗濯機は大型なので、厚手の毛布でも汚れや臭いを綺麗に落とすことが可能です。
メリット2:触り心地のよい仕上がりになる
コインランドリーの乾燥機には高温風機能がついているため、毛布を洗濯した後はふわふわな触り心地になります。「ふわふわな触り心地の毛布に仕上げたい!」といった方には欠かせないポイントではないでしょうか。
※乾燥機利用の可否は洗濯表示タグを確認してください。メリット3:安くて早く、プロ並みの仕上がりにできる
コインランドリーでは安くて早く洗濯することが可能で、プロ並みの仕上がりにすることができます。
どれくらい安く、早いのかを下記の表に目安としてまとめてみました。
- 洗濯のみの場合▼
毛布1枚 毛布2枚 料金 約500~600円 約700~900円 時間 約30~40分 約40~50分 - 容量14kgの乾燥機を使用する場合(8分で約100円の時)▼
毛布1枚 毛布2枚 料金 約400~500円 約500~700円 時間 約30~40分 約40~50分 - 容量25kgの乾燥機を使用する場合(6分で約100円の時)▼
毛布1枚 毛布2枚 料金 約500~700円 約700~900円 時間 約30~40分 約40~50分 毛布1枚を洗濯してから乾燥させるまで、約1000円前後で行えます。また、時間も最短で1時間前後で乾燥まで仕上げることが出来るので、自宅で洗濯するよりも早い点が魅力的です。
- 洗濯のみの場合▼
コインランドリーで洗濯すると嬉しいメリットがたくさんありますね。自宅で毛布を洗濯する時間がない、といった場合はコインランドリーを活用するといいかもしれませんよ。
〇クリーニングに出す
最後に、毛布をクリーニングに出す方法です。
クリーニングに出した衣類は、「ドライクリーニング」といったクリーニングならではの方法で洗われています。
ドライクリーニングとは、水を使わないクリーニングのことで、水の代わりに石油や塩素を原料にしている「有機溶剤」を使用しています。この「有機溶剤」を使うことにより、生地の伸びやヨレ、縮みや色あせなどを心配することなく頑固な汚れを落とすことが出来るため、洋服や形を崩したくない衣類に適しているといえます。
では、どんなときに毛布をクリーニングに出すべきなのでしょうか。
1つ目は、デリケートな素材の毛布を洗いたい時です。水洗い可、洗濯機可と記載されている毛布は自宅でも洗うことができますので、必ずしもクリーニングに出さなければいけないということはありません。しかし、ウールやシルク等、洗濯表示タグに水洗い不可と記載されている生地の毛布を自宅で洗うのは厳しいので、そういった毛布はクリーニングに出すことをオススメします。
2つ目は、毛布の風合いを損ねたくない場合です。お気に入りの毛布や高価な毛布は、洗濯後も質を落としたくないといった方も少なくないと思います。そういった時はクリーニングがオススメです。クリーニングはプロが行うので、毛布の仕上がりがよくなりますよ。
3つ目は、頑固な汚れがある場合です。自宅で洗濯しても落ちない頑固な汚れがあるものは、クリーニングに出すのがオススメです。クリーニングに依頼するときは、どこに汚れがあるのか、何の汚れかを事前に伝えておくと良いでしょう。
ここで気になるクリーニングの料金ですが、相場は1枚1000円~、2枚(ダブルの毛布)1600円~です。もちろん地域や店舗、毛布の種類や素材などで変わってきますので、あくまで目安と考えましょう。
また、店舗によって染み抜きは別料金だったり、オプション等によって料金も変わってくることもあるため、一度、付近のお店に問い合わせてみるといいかもしれませんね。
まとめ
これまで、毛布を自宅の洗濯機で洗う方法から干し方、また毛布の手洗い方法など洗濯機以外での洗い方まで解説してきましたが、どの工程においても洗濯表示をよく見ることが大切だということが分かりました。
ここで毛布を洗濯するにあたり、大切なポイントをまとめておきます。
- ①洗濯表示はしっかりとチェックすること
- ②洗濯する前のひと手間を惜しまないこと
- ③干すときは最後までしっかりと乾かすこと
これらのポイントをしっかり押さえることで、洗濯後の毛布の仕上がりが格段とあがります。
次のシーズンに気持ちのよい毛布を使うため、毛布の洗濯方法をマスターしちゃいましょう。
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