足のむくみを取る3つの方法!原因&解消法を一挙公開!?
成人女性の50% 以上の方が、足のむくみに悩んでいるとされています。特に、一日中デスクの前で座り続けるデスクワーカーの場合は、夕方になると足がむくんで辛いという経験をしている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、足のむくみに悩む女性のために、そもそも何故デスクワーカーの足はむくみやすいのかという疑問を解決し、その後で「足のむくみを取る効果的な3つの方法」を紹介していきます。
足のむくみの原因とは?
「むくみ」とは、何らかの原因で血液中の水分が血管外に異常に浸み出した状態のことを言います。
通常、心臓から送られる血液は下半身(足先まで)に流れて、重力に逆らってまた心臓に戻ってきます。しかし、現代人のように座ったままの姿勢が長時間続いたり、運動不足によりふくらはぎの筋力が低下していたりすると、下半身に流れた血液を上手く心臓に戻すことができません。その結果、下半身に血液が残ってしまいます。この残った血液が血管の炎症を引き起こします。そして血管の炎症が起こると、血液の水分が血管内から血管外へ浸み出し、細胞外に水分が溜まっていきます。つまり、この水分が足のむくみの原因なのです。
足がむくみやすい人の特徴。デスクワーカーは要注意!?
以下には、足がむくみやすい人の特徴をまとめました。
- ・長時間座りっぱなしで仕事をするデスクワーカー
- ・運動不足(下半身の筋肉が衰えている)
- ・ダイエットをしている
- ・常に下半身が冷えている
特に気をつけたいのが、長時間座りっぱなしで仕事をするデスクワーカーです。それには以下の2つの理由があります。
- ① お尻や太ももが常に圧迫されるため
- ② ふくらはぎの筋肉が動かない(血液を心臓に戻す機能が働かない)ため
それでは何故デスクワーカーの環境が足のむくみを引き起こしやすいのか、一つ一つ詳しくみていきましょう。
① お尻や太ももが常に圧迫されるため
例えば怪我をして出血したときは、血管を圧迫することで止血することができます。このように血管は圧迫されることで、血液の流れは悪くなります。つまり、デスクワークのように座った姿勢が長時間続くと、その間ずっとお尻や太ももが圧迫されることになるため、下半身の血流が悪くなり、下半身に血液が滞ってしまい足のむくみを引き起こします。
また特に女性に多いのですが、一般的な高さの椅子では座面が高すぎてかかとが床に完全についていない状態で、椅子に座っている場面をよく見ます。この状態では、体重のほとんどをお尻と太ももで支えることになり、さらに強い力でお尻と太ももが圧迫されることになります。そして、より一層血液の循環が悪くなり、足がむくみやすくなります。そのため、椅子の高さが合っていない場合は、座面の高さ調整ができる椅子に変えたり、足置きを設置したりして、かかとがしっかり床についた状態で椅子に座るようにしましょう。
② ふくらはぎの筋肉が動かないため
筋肉には、収縮することで周辺の血管が圧迫し、血液循環を促進する(血液を心臓を戻りやすくする)働きがあります。これを「筋ポンプ作用」と言います。
そして、心臓から最も遠い筋肉部位であり、下半身の筋肉の中で最も筋ポンプ作用が強いのがふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)です。そのため、ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれれ、下半身の血液循環を効率的に行う上で、ふくらはぎの筋肉を動かすことがとても大切とされています。
しかし、一日中座りっぱなしで仕事をするデスクワーカーの場合、ふくらはぎの筋肉を動かすことはほとんどありません。そのため、筋ポンプ作用が十分でなく、下半身に血液が滞ってしまい、結果的に足がむくみやすくなってしまいます。
足のむくみ重症度を簡単チェック
「足のむくみのある全国の女性1,000人に聞いた足のむくみに関する実態調査(※)」では、女性の2人に1人が足のむくみを経験したことがあるとされていますが、足のむくみを病気と疑ったことがある人はそのうちの1割とされています。つまり、多くの女性がむくみの症状がありながらも、足のむくみをあまり深刻には捉えていないという事実があります。
※ 出典:エスエス製薬
しかし、症状がひどく、なかなか足のむくみが改善されない場合は、慢性静脈不全という病気が疑われます。進行すると、静脈瘤が形成されたり、足の皮膚が変色して傷つきやすくなり潰瘍(かいよう)ができることもあります。他にも、深刻な疾患の予兆として、足がむくみやすくなっているという可能性もあります。
そのため、たかだか足のむくみと思わず、早い段階から対処していくことが大切です。以下に、簡単なチェックシートを用意したので、一度チェックしてみてください。
1 | 足にむくみがある | □ |
---|---|---|
2 | 重量感、張り感、だるさ、痛みなどの自覚症状がある | □ |
3 | それらの自覚症状が何日も続く | □ |
4 | 運動不足 | □ |
5 | 肥満傾向にある | □ |
6 | 加齢とともにむくみがひどくなった | □ |
7 | 同じ姿勢(立ったまま・座ったまま)で過ごすことが多い | □ |
8 | 家族の中に静脈瘤を経験した人がいる | □ |
上記で、多くのチェック項目に該当する場合は、既に慢性静脈不全の可能性、または将来かかってしまう可能性があります。以降で「足のむくみを取る方法3選」を紹介しているので、このまま読み進めて、是非実践していってください。
足のむくみを取る方法3選
ここでは、日常生活の中で簡単に取り入れられる足のむくみを取る方法をいくつか紹介します。
① デスクワーク編
デスクワーク中にふくらはぎの筋肉が動かないことで、静脈の血流が妨げられ足のむくみの原因になるということを前述しました。そのため、デスクワーク中に、以下の運動を取り入れてみてください。
立ち仕事の場合は、ふくらはぎの筋肉を動かすことを意識してかかとを上げ下げ。座り仕事の場合も同様にふくらはぎの筋肉を意識して、つま先の上げ下げをするだけです。たったこれだけですが、ふくらはぎの筋肉の筋ポンプ作用で下半身に血液が滞りにくくなります。
また前半で少し触れましたが、椅子の高さがあなたに合っていない場合、お尻と太ももの血管を余分に圧迫してしまいます。以下の記事で、あなたの身体に合った「椅子の高さ」を調べることができます。あなたに最適な椅子の高さに調整し、できるだけお尻や太ももに負担が負担がかからないようにしましょう。椅子の高さの調整が難しい場合は、日本人向けに設計された低座面チェアへの買い替えや、足置きの導入などがオススメです。
机の高さと椅子の座面の高さの関連性
この記事を見る② マッサージ、ツボ押し編
マッサージやツボ押しは、外部からの刺激により血液循環を促すことができるので、足のむくみの解消には効果的です。
ゴルフボール等を利用して足裏でころころと転がしてツボを刺激する方法がオススメです。ツボ押しによる血液循環の効果だけでなく、足の筋肉を動かすため筋ポンプ作用の効果も同時に得られます。
特に、「湧泉(ゆうせん)」というツボを刺激するのが効果的です。湧泉は、「足裏の万能ツボ」と呼ばれ、代謝や血行促進などに効果があります。
③ 食事編
足のむくみと食生活にも深い関係があります。普段の食事から特に気をつけていただきたいのが、以下の2点です。
- ① 塩分の摂り過ぎ
- ② アルコール
それでは詳しくみていきます。
まず一つ目に、塩分の摂り過ぎです。身体には体内の塩分濃度を一定に保つ仕組みがあります。そのため、体内に塩分を摂取しすぎていると、塩分濃度を保つ(薄める)ために体内に水分を溜め込むようになります。この水分がむくみの原因になります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(20年版)」によると、1日の塩分摂取量の目安として、男性:7.5g未満、女性:6.5g未満とされています。参考までに、コンビニやファーストフードで購入することができる加工食品の塩分含有量をリストアップしました。
食品名 塩分含有量 カップ麺 約5~7g スパゲッティ 約4~5g ピザ 約3~4g ハンバーガー 約1~2g サンドイッチ(ハム) 約1~2g お弁当 約1~2g おにぎり 約1g 例えば、朝食:おにぎり、昼食:お弁当、夕食:カップ麺を食べた場合は、約7~10gの塩分を摂取したことになります。女性の場合は、この三食だけで1日の塩分摂取量を超えていることが分かります。
このように、もしあなたが日頃から外食、ファーストフード、コンビニの加工食品などで食事を済ませている場合、それだけで1日の塩分摂取量をオーバーしている可能性が高いです。そのため、足のむくみを解消するには、自炊を増やす、できるだけ薄味のものを食べるといったように意識的に食生活を改善していくことが大切です。
二つ目が、アルコールです。お酒を飲み、血中のアルコール濃度が高くなると、血管が拡張し血管から水分が漏れ出します。この水分がむくみを引き起こします。
またお酒を飲むときは、上記で説明したような塩分含有量が多い食品を一緒に食べることが多いと思います。そのため、①塩分の摂り過ぎ、②アルコールの2つが原因となり、お酒を飲んだ翌日が最もむくみやすいといった現象が起きるのです。
お酒はほどほどに、また食生活の改善をしていくことで、足のむくみは解消していくでしょう。
まとめ
足のむくみは、多くの女性が経験している一方で、深刻な疾患だとは捉えていないという現実があります。しかし、足のむくみの原因のほとんどは、血液循環と食生活の問題にあります。足のむくみ自体は深刻化しない限り症状は軽いですが、「あなたの血液は上手く循環できていないですよ」、「あなたの食生活は偏っていますよ」といったような身体からのサインかもしれません。身体から送られたサインを見逃さず、将来健康的な生活を送るためにも、早い段階で対策に取り組むことをオススメします。
最後に、この記事で紹介した内容をまとめておきます。
- ・むくみの原因は血管から漏れ出す水分
- ・デスクワーカーの足は特にむくみやすい
- ・高さの合った椅子に座ることが大切
- ・ふくらはぎの筋肉を動かすことで血液循環を促進させる
- ・食生活の見直し(塩分&アルコールの摂取を減らす)が大切