ゲーミングモニターとは?
3つの違いとおすすめの選び方
ゲームをプレイしていて、早い動きに目が追いつかない。どうしても上手くタイミングが取れない。何度やっても相手より一歩遅れてしまう...。などの経験がある方は多いのではないでしょうか。
練習してもなかなか上達せず、自分は動体視力や反射神経が悪いんだ、ゲームが下手なんだ。と諦めてしまっていませんか?
それ、もしかするとあなたの使っているモニター(テレビ)が原因かも。
ゲームは様々なデバイスを介して自身の操作をコンピュータに伝え、コンピュータからの情報もまた、デバイスを通して自身に伝わります。つまり、装備はとても重要。
「でもデバイスのこととか難しくてわからない...。」そんなあなたのために。「ゲーミング」の名を冠するデバイスの特別な機能を知り、最高のゲーミング環境を整えるための、ゲーミングデバイス解説シリーズ。
第一弾となる今回は、「ゲーミングモニター」について詳しく解説していきます。
ゲーミングマウスとは?3つの違いとおすすめの選び方
この記事を見るゲーミングモニターと一般的なモニターとの違いは大きく3つ
ゲーマーなら一度は聞いたことがある「ゲーミングモニター」
普通のモニターやテレビと何が違うのか知っていますか?
まず、ゲーミングモニターはモニターの「基本性能」が大きく高められています。
①応答速度が速い
応答速度とは、パネルに信号が送られてから、色が切り替わるまでの時間を指します。色の切り替わりが遅いと、画面が激しく動いたときに残像が残ってブレてしまいます。
ゲーミングモニターはこの応答速度が高められており、激しい動きの中でもブレのないはっきりとした映像を表現できるようになります。
③入力遅延が少ない
入力遅延とは一般的に、モニターに映像信号が入力されてから、モニター内部で信号の処理をして、パネルに出力されるまでの時間を指します。
入力遅延が小さいほど、早く状況を認識することができ、自分の操作がダイレクトに視覚に反映されるため、より正確な操作が可能になります。
一瞬の判断で戦況が大きく変わる対戦ゲームにおいて、遅延はとても厄介な存在。
遅延が小さくて困ることはなく、その差がそのままアドバンテージとなるので、きっちり抑えておきたいところです。
IPS? TN? VA? あなたにおすすめのパネル方式を用途別に解説
「IPS」「TN」「VA」
モニターをのことを調べると必ずこれらのワードを目にすることになります。これらは液晶パネルの形式をさすもの。
一見難しそうですが、詳しい仕組みを学ばなくても、それぞれの特徴を抑えておけば困ることはありません。
・とにかく勝利を求めるガチゲーマーにおすすめ「TN」パネル
TNパネルはゲーミングモニターの多くが採用している方式で、その理由はゲーマーにとって特に重要な「速い応答速度」と「高いリフレッシュレート」達成しやすく、かつ安価だから。
一方でTNパネルには色再現性が低く、視野角が狭いという弱点があります。
具体的には、TNパネルは他の形式のパネルに比べて彩度が低く見えたり、白っぽい表現になりがちで、モニターを横や上下から見ると大きく色が変わって見えてしまいます。
普段スマホやテレビの鮮やかな画面に慣れていると、少し違和感を感じるかもしれません。
しかし、ゲームに必要な性能面はピカイチ(リフレッシュレート240hz、応答速度0.5ms対応など)で、プロのeスポーツ大会ではほぼすべてのモニターがTNパネル採用モデルです。
勝利を追い求めるガチゲーマーには自信を持っておすすめします。
・鮮やかな画面でクリエイターも満足「IPS」パネル
IPSパネルは視野角の広さや色再現性に優れた、いわゆる美しい表現ができるパネル形式で、一般的なモニターの中でも特に画質を追求した高級モデルやクリエイター向きモデルはよくこのパネル形式が採用されます。
一方で速い応答速度を達成することが容易ではなく、IPSモデルかつ速い応答速度、高リフレッシュレートを実現したゲーミングモニターは非常に高価というデメリットがあります。
クリエイターとしてもゲーマーとしても使える一台が欲しい!という方は、このタイプをおすすめします。
・深い黒表現に引き込まれる、映像も楽しむ人におすすめ「VA」パネル
VAパネルはTNやIPSパネルと比較して、圧倒的な黒の表現が可能な形式です。
液晶パネルは裏側からバックライトで照らして明るさをコントロールしているのですが、TNやIPSパネルは光の透過率が高く、真っ黒の画面を表示してもバックライトが透けて白っぽくなってしまいます。
対してVAパネルはしっかりと遮光して、黒をより「黒く」表現してくれます。
各パネル形式の特徴比較表▼視野角や色再現性はTNとIPSの中間ほど。
弱点はどうしても応答速度が遅くなってしまうことです。
動きの激しいアクションゲームをプレイするよりは、アドベンチャーゲームやオープンワールドなどの景観の美しいゲームをプレイしたり、映像作品も楽しむという人におすすめ。
TN IPS VA 視野角 △ ◎ ◯ 発色 △ ◎ ◯ コントラスト ◯ ◯ ◎ 応答速度 ◎ ◯ △ 価格 ◎ △ ◯ メーカーのウデの見せ所。ゲーム特化の独自機能を抑えよう
複数のメーカーがしのぎを削るゲーミングモニターの世界。中にはメーカー独自のゲーマー特化機能が搭載されているモデルがあります。
今回は代表的なものをピックアップしましたが、他にも面白い機能が沢山あるので、気になるモニターがあれば、販売ページだけでなくメーカーの製品ページもチェックしましょう!
・物陰などの暗い部分を明るく補正する機能
Black eQualizerやブラックスタビライザーなどと呼ばれる機能で、
ゲーム内の暗所を明るく補正し、物陰に潜む敵などにいち早く気づくことができる機能。ただ単に輝度やゲーム内の明るさ設定を上げると、もともと明るい部分がさらに明るくなってしまい結局見ずらい…。
といったことが起こりますが、これらの機能は暗いところを集中して補正してくれます。特にfpsプレイヤーには抜群の効果を発揮するでしょう。
・映像のブレを低減する黒フレーム挿入機能
一般的にはELMB、DyAc、1ms Motion Reductionなどと呼ばれる機能で、
画面を更新する際、間に黒のフレームを挟む(もしくはバックライトの消灯)ことによって残像感を大きく低減することができる機能です。
この機能は人間の錯視を利用したもので、実際にブレがなくなっているわけではないのですが、ONとOFFでは全く異なる体感ができるので、FPSプレイヤーはぜひ抑えておきたいところです。
注意点としては、バックライトを点滅させることになる。つまり、フリッカーが発生することになるので、フリッカーに弱い方はショップ等で先に試遊することをおすすめします。
・画面入力の表示遅延を最小限に抑える機能
GameFast Inputテクノロジー、Low input lag機能、DASモード、などと呼ばれる機能で、
主に入力された映像信号をフレームバッファ(モニター内部のメモリのようなもの)を通さず直接描画することで、画面入力の表示遅延を最小限に抑えてくれる機能です。
上でも紹介したように、遅延は少なければ少ないほど有利。こちらも見逃せない機能です。
(ゲーミング)モニターの選び方
ここまでは「ゲーミング」モニターの特徴やその違いについて解説してきましたが、ここからはすべてのモニターに共通する基礎知識とともに、自身に最適なモニターを選ぶコツや見方を解説します。
・アスペクト比(画面比率)
アスペクト比とは、画面の縦横比のことをいい、現在一般的に使われるのは16:9(ワイド)です。
他には、アナログテレビやVHSなどで使われる4:3、映画館のスクリーンで使われる21:9(シネスコ)などがありますが、この記事では最も一般的な16:9(ワイド)のモニターについて解説しています。
・解像度
解像度と通称一覧▼PCディスプレイは、ピクセル(ドット、画素)と呼ばれる小さな点の並びで構成されています。
通常解像度は、「横に並んでいるドット数×縦に並んでいるドット数」で表され、解像度が高いほど、画面の表示はよりきめ細かいものになります。例えば解像度が1920x1080だとすると横に1920個、縦に1080個ピクセルが並んでいることになります。
また、解像度によっては通称がつけられている場合があり、たとえば「FullHD」や「4K」「1080p」などの表記あります。みなさんも一度は目にしたことはあるのではないでしょうか。
ここでは一般的にモニターに使われる解像度(16:9)と通称の組み合わせを一覧にしました。
解像度(16:9) 通称 7680×4320 8K(FUHD) 4320p3840×2160 4K(QFHD) 2160p2560×1440 WQHD 1440p1920×1080 FullHD(FHD) 1080p1280×720 HD 720pおすすめの解像度
2020年の主流は「FullHD(1920×1080)」で、モニタのサイズ次第ではこれで十分な解像感が得られます。
しかし近年「WQHD(2560×1440)」の採用モデルがぐっと増えています。その背景にモニターの大型化があり、PCモニターの主流が24インチから、27インチや32インチのモニター変わりつつあります。
そして、27インチ以上のサイズになると、「FullHD(1920×1080)」だと映像のドット感が強くなってしまうため、「WQHD(2560×1440)」が採用されることが多くなったというわけです。
ということで、24インチまでなら「FullHD(1920×1080)」27インチ以上なら「WQHD(2560×1440)」も視野に入れてモニター検討することをおすすめします。
※高い解像度のモニターは高精細な映像表現が可能ですが、それだけPCをの負荷も増えることになるので、WQHDや4Kのモニターを検討する際はPC性能との相談も必要です。
・モニターサイズ
モニターサイズ(インチ)と縦横の長さ(ミリ)▼モニターのサイズはパネルの対角線の長さ(インチ)で表記されます。
馴染みのないインチ表記かつ対角線の長さというとてもわかりにくい表記なので、一般的なアスペクト比16:9のパネルサイズ(インチ)と縦横の長さ(ミリ)の対応表を用意しました。
購入の際の参考にしてみてください。
パネルサイズ 縦(mm) 横(mm) 21.5インチ 268 476 24インチ 299 531 27インチ 336 598 32インチ 398 708 43インチ 535 952 ・スタンドの角度調整機能
モニターを購入すると必ずついてくるスタンド。
あまりピックアップされない部分ですが、モニタースタンドには様々な角度調整機能が備わっているものがあります。
無理な体勢でのモニター使用は目、首、肩などに負荷をかけてしまうため、必ずチェックしましょう。
・チルト
チルト機能とはモニターを上下に角度調整できる機能です。
スペック表記では「前5°、後20°」等と表記されパネルを地面と垂直にセットした状態からどれだけ上下に倒せるかがわかります。
チルト機能は低価格帯のもほぼ採用されている基本的な調整機能ですが、倒せる角度はそれぞれなので要チェックです。
・スイベル
スイベル機能とは、台座を固定したまま左右に首振りができる機能です。
スタンドごと動かすのが大変な大きめのモニターに搭載されていることが多い機能です。
・ピボット
※ピボット機能の説明のため、モニターアームを使用しています。 ピボット機能はモニターを回転させることができる機能。
この機能を使いモニターを縦置きで使用すれば、WEBページの閲覧や、データ入力などが捗ること間違いなし。サブモニターなどににおすすめの機能です。
・高さ調整
文字通り高さを調整することができる機能。
ハイエンドモニターに搭載されることがほとんどで、お目にかかる機会は少ないかもしれません。
・これ一つで調整はすべて完結!モニターアームのススメ
ここまで紹介した様々なスタンドの調整機能ですが、モニターアームを使用して設置すれば、わざわざスタンドに欲しい調整機能が搭載されたモデルを選ばなくても設置に困ることがなくなります。
それではモニターアームとモニターの取り付けや設置方法を見ていきましょう。
・VESAマウント規格
“VESA規格とは、液晶ディスプレイやテレビなどの映像機器を、壁掛け金具・アーム・スタンドなどに取り付ける際に使うネジ穴の間隔について定められた国際標準規格のことです。
Video Electronics Standards Association(略称:VESA)という組織が策定したため、VESA規格と呼ばれています。VESAマウント規格・FDMIと呼ばれることもあります。
ネジ穴の縦×横の間隔サイズが規格として定められており、「100×100mm」などのように表記されます。VESA規格に対応した製品であれば、様々な製品の中からどれを選んでも問題なく取り付けることができます。”
PCモニターに一般的に使用されているのは100×100mm(VESA100)。
殆どのPCモニターにはこのVESA100マウントが搭載されていますが、一部の低価格モニターや大型のモニターにはそもそもVESAマウントが搭載されていないことがあるので要注意です。
そして、モニター側のVESAマウントが確認できたらモニターアームのマウントサイズも確認しましょう。モニター側とアーム側で規格が合えば取付可能です。
・アームの取り付け方法
モニターアームのデスク天板への取り付け方法は大きく2種類。自分のデスクに合った取り付け方法をここで学びましょう。
・クランプ式
最も一般的な取り付け方式で、コの字型の金具でデスク天板を挟んで固定します。
デスクによっては幕板や補強フレームと干渉してしまい取り付けできないことがあるため要注意です。
・グロメット式
天板に空いた穴にボルトを通して天板を挟んで固定するタイプです。
天板にグロメット取り付け用の穴がない場合は自身で開ける必要がありますが、デスク背面のスペースやフレームなどに左右されず取り付けが可能です。
・おすすめモニターアーム
ロングモニターアームGSシリーズ
Bauhutteでは対応ディスプレイ数の違う3タイプのモニターアームを用意しています。一般的なモニターアームと比べて長いアーム、高いポールを採用し、可動範囲の広さを特徴としています。
その他、遅延や相性問題の気にならないUSB3.0パススルーポート、クイックリリース、7軸関節、ガス圧式リフトなど、モニターアームに欲しい機能が全て詰まった最強のモニターアームです。
上記で解説した角度調整はもちろんすべて対応、天板への取り付けもクランプ、グロメット両対応です。
【番外編】湾曲?ウルトラワイド?ちょっと変わったゲーミングモニター
・湾曲モニター
湾曲モニター。曲面モニターとも呼ばれるこのモニターはその名の通り画面がカーブを描いているのが特徴です。
まず曲面モニターには曲率が設定されており、1500R、3000Rなどと表記され、たとえば、3000Rディスプレイは半径が3000ミリメートルの円と同じカーブを描いているということになります。
人間の視野は1000Rと言われており、それに近づけるようディスプレイを湾曲させることでより高い没入感を得られることが特徴です。
また、平面パネルだと画面の中心と隅で目からの距離が大きく変わってしまいますが、曲面モニターではその差が縮まり、より少ない視点移動で使用可能になるため、眼精疲労が軽減されるというメリットもあります。
一つ注意点として、画面自体が湾曲しているため、イラストや製図等、正確に線を引かなければならない場合は使いにくさを感じる可能性があることを覚えておきましょう。
・ウルトラワイドモニター
通常のモニターの縦横比は16:9ですが、ウルトラワイドモニターは横がぐっと広がり21:9。この縦横比はシネスコサイズとも呼ばれており、映画館のスクリーンとほぼ同じ比率。
つまり通常の16:9モニターでは上下に黒帯が出てしまうような映画を鑑賞する場合も映像を画面いっぱいに表示することができるようになります。
また、ゲームにおいては16:9では表示できない範囲の敵をいち早く発見するなど、非常に試合を有利に展開できるようになり、事務作業やクリエイターソフトにおいても広大なワークスペースを得ることができます。
一つ注意しておきたいことは、一般的な16:9モニターとのサイズ感の違いです。
先程解説したように、モニターのサイズはパネルの対角線の長さ(インチ)で表記されるため、ウルトラワイドモニターでは大きな数字になりがち。
しかし実際のところ、例えば34インチウルトラワイド(21:9)と27インチワイド(16:9)ではほとんどモニターの縦幅に違いはありません。
縦(mm) 横(mm) 29インチ(21:9) ウルトラワイド284 673 27インチ(16:9) ワイド336 598 34インチ(21:9) ウルトラワイド335 799 例えば、現在27インチのモニターを使用しているとして、ウルトラワイドモニターへの乗り換えで数字の近い29インチのウルトラワイドモニターを買ってしまうと画面のサイズ感が合わなくなってしまいます。
ウルトラワイドモニターを購入する際には十分注意しましょう。
※Ultrawide/ウルトラワイドはLG社の登録商標です
まとめ
ここまで読んでいただいた方には、ゲーミングモニターは、本格的にゲームを楽しみたい人にはもはや必須のアイテムだということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
この記事で身につけた知識とともに、ご自身の予算や用途に合わせたゲーミングモニターを導入し、すばらしきゲーミングライフの一歩を踏み出しましょう!
冒頭にもお伝えした通り、この記事はゲーミングデバイス解説シリーズの第一弾。まだまだ続きます。お楽しみに…!
第二弾「ゲーミングマウス」の記事はこちら▼ゲーミングマウスとは?3つの違いとおすすめの選び方
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②リフレッシュレートが高い
リフレッシュレートとは、モニターが画面の更新を1秒間に何回行っているかを示すものです。
一般的なモニターのリフレッシュレートは60hz、つまり1秒に60回画面を書き換えています。ゲーミングモニターは144hzが主流。一般的なモニターの倍以上のスムーズな映像を表示してくれます。
パラパラ漫画をイメージするとわかりやすいでしょう。1秒間にめくる枚数が多いほどなめらかに見えますよね。
しかも、画面の更新回数が多いということは、ただなめらかに映像が見えるだけではなく、普通のモニターを使っている相手より少し先に状況がつかめがつかめることになります。
特に対戦ゲームでは大きなアドバンテージになりますね!
リフレッシュレートと遅延の関係がよく分かる動画が以下のものになります。是非チェックしてみてください!